温室栽培での土壌病害対策 温室トマトVer.
- 2018/09/21
- 20:50
こんにちは。
前回、「根腐れ疫病」の症状と発生要因について記事にしました。
今回は「根腐れ疫病」をはじめとする多くの土壌病害の対策について、
温室トマトで実施している対策方法を記事にしたいと思います。
ただし、勘違いしている部分も多々あるため参考までに・・・。
とにかく大事なポイントは、栽培環境をクリーンにし病気が繁殖しない環境にすることです。
灌水設備に病原菌が残る場合
まずは灌水設備に病原菌が残ってしまう場合を考えて見ます。
病気が発生したトマトの樹の根元には水を与えるためのドリップがある、
そこに病原菌が残る可能性が無いともいえない。
ドリップは水を送るためのチューブに取り付けられているが、
そのチューブ内に病原菌が侵入する場合も考えられる。
さらにはチューブに水を送るためのメインの配管内にも侵入しているかもしれない。
画像で説明すると以下になる・・・。
まずは灌水用のドリップ、これをトマトの根元に差し込み栽培ベット内に養液を与える。
ここに病原菌が付着していると病気の感染源になってしまいます。
次にドリップに取り付けられている水を送るチューブ。
この内部に病原菌が侵入したり残る場合が考えられます、
シーズン終了後は消毒液などを流し込むなど対策が必要です。
水を送るチューブが取り付けられているメインの灌水ホース。
この内部にも病原菌の侵入は考えられるため、栽培終了後には消毒・洗浄が必要です。
病気が発生したトマトの培地に取り付けているドリップ、チューブは交換しておいた方が良い。
来シーズンに病原菌が残るかもしれないからだ。
交換ができない場合は、シーズン終了後に汚れていれば洗浄し、
しっかりと殺菌消毒しておきたい。
栽培ベンチなどの洗浄
栽培用培地を置いておく栽培ベンチなどにも病原菌が残る場合がある。
栽培培地からでる廃液が流れる場所には汚れと植物の根が残っていたりする、
そういうところにも病原菌が残ります。
栽培終了後はしっかりと汚れを落とし殺菌と洗浄をしておきたい、
病気が発生していた培地が置かれていた場所は特に念入りに殺菌消毒を行いたい。
可能であれば栽培ベンチの交換も良いと思う。
栽培に使う道具の除菌
トマト栽培に使用する栽培道具にも注意が必要です。
靴底についた病原菌の持ち込み
まずは圃場や温室内で使用する履物を、外とは別々に管理しておいた方が良いです。
外部からの病原菌の持ち込みを防ぐためと、外部に持ち出さないためにもです。
靴底の消毒なども効果的です。
作業手袋の注意点
トマトの管理作業に使う手袋も作業終了後はまめに洗うなどしておきましょう。
圃場の外で使用した手袋を持ち込んでトマトの管理作業に使用するのもよろしくないです。
作業用ハサミの注意点
トマトの管理作業に使用するハサミの病気対策については、
作業中は消毒液に刃先を浸すなどの対策をしておいた方が少し安心です。
優れた殺菌効果が期待できるわけでは無いですが、少しだけ期待できます。
うっかり病気の発病株に使用した場合
なるべく他のトマトには使用せずにハサミを交換し、
洗浄と消毒をしてから使った方が良いです。
すべての土壌病害がハサミで感染するわけでは無いですが、
感染リスクは下げた方が良いです。
*ただし「青枯れ病」の発病株に使用した場合は、速やかにハサミを交換し、
発病株には触れないようにしましょう。
「青枯れ病」は樹液から感染し環境が整うと爆発的に増えるため、
対策を怠ると被害が大きく、発病し枯れあがるまでの期間もあっという間です。
原水の病害対策
トマト栽培に使用する水の病害対策もとても大事です。
トマトに限らずですが、使用する原水は栽培に適した水質が求められます。
雨水や地下水などさまざまですが病原菌が繁殖していない水を使用したいです。
貯水タンクの洗浄
栽培に使用する原水を溜めておく貯水タンク、
タンク内にゴミなどが入り込まないように管理しておいた方が良いです。
屋内や地下にあれば問題ないとは思いますが、屋外にある場合は注意が必要。
シーズン終了時には可能であればタンク内を洗浄しておきましょう。
まとめ
以上が温室栽培での土壌病害対策になりますが、まだまだこれ以外にもあります。今後追記していこうと考えています
大事なポイントとしては、圃場・温室内をクリーンに保つことと、
病気が繁殖する環境を作らない事です。
圃場や温室内では病気が蔓延し始めると栽培期間中は防除が難しいです、
出来るだけ栽培を始める準備の段階で対策を行いたいです。
- 関連記事