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高温期の温室環境制御についての考察  温室トマトVer.1.0

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こんにちは。

4月も後半に入ってくると日射量の増加で気温の上昇も早い、

温室内でも日の出から2時間も過ぎるころには急激に温度が上昇し始める。

これからの時期、温室内の温度管理はいかに高温にならないように制御するかがポイントだ。

今回のテーマは「温室トマト」においての高温期の温度管理について考察して見たいと思う。



温度が上昇することはトマトに良いのでは?


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トマトの生育にとって太陽の光と温度はとても重要だ。 植物は生長するための栄養を自分で作っている。

空気中の二酸化炭素を葉の裏側の気孔から取り込み土壌から水と肥料分を根から吸収し光合成によって栄養を作る。温度は栄養を使用する成長速度と伸長量に影響する。



※簡単に説明するとこんな感じだが実際の植物の生長過程ははるかに複雑だ

管理人にはとても説明することが難しい、そこはご理解いただきたい。



日射量の増加と温度の上昇はトマトの生育に好都合な環境に思える、

栄養分を大量に生産し成長速度と伸長量も増加しトマトも多く収穫できる。


ところが、必要以上に温度が上昇し高温となると問題が出てくるようだ。

生産された栄養素の使い道


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トマトも植物だ、植物も人や動物と同じように呼吸をしている、

身体を維持するためにも栄養が必要だ。

生産した栄養分をすべて新しい成長に使うわけにはいかない。

まずは必要な所に振り分けられ、残った栄養分を新しい成長に使用するようだ。


ところが、温室内の温度が必要以上に上昇し高温となることで、

栄養分のほとんどを呼吸と身体を維持するために使用することになる。

新たな成長に使用する栄養分が残らないのである・・・、大変なことだ。






高温環境はトマトにとってストレスにもなる。

急激な日射量と温度の上昇で、葉から蒸散した水分を補うための水分補給が間に合わなくなるのだ。

これによりトマトの樹の冷却機能が低下し、体温の上昇により萎れなどの症状がではじめる、

トマトの果実も高温により着色の遅れ、色づきの悪いトマトになってしまうことがある。

高温環境が続くことはトマトにとってかなりのダメージをあたえることになる。










温室環境を制御することは可能なのか?


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結論から言うと「温室トマト」ではこの時期の温室環境の制御、とくに温度管理については、

コントロールすることは実現できていない。

ある程度までは温度を制御できるが、制御限界を超えるとお手上げである。

理由として、温室の温度管理は天窓による空気の入れ替えによって成り立っている、

これは「温室内」と「外の気温の差」があれば温度コントロールしやすい、

しかし、日射量の増加でこの温度差がなくなり温室内と外の気温に差が出なくなる、

こうなるといくら天窓を開いても温室内温度に変化はおきない。

さらに温室はその気密性と保温性から日中はかなりの高温となってしまう、

あまりトマトの生育にとっては良い環境とは言えない。



そこで、現状の「温室トマト」で実施している高温対策をいくつか紹介してみよう。










現状で実施している高温対策


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まずは遮光カーテンを使用しての日射量の制御だ。

日射量が目標の値に達すると自動でカーテンを閉じ、日射を制限するものである。

直射日光が当たらないだけでも効果はかなりのものだ。

直接日射を受けることでトマトの樹はかなりの高温になる、日射をカーテンで遮ることで

トマトの樹の体温上昇をある程度おさえることが可能だ。





そのほかの対策として、灌水の回数を増やすことで対応している。

植物は蒸散によって体温の調整をしているようだ、根から吸収した水分のほとんどは

蒸散によって体外に放出される。

蒸散には体温を冷却する目的もある、灌水の回数を増やすことで蒸散効率を上げる目的だ。



実際の所、効果があるのかはよくわからない。







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以前、試験的に試してみた方法を紹介しようと思う。

加温装置の温水循環パイプラインの水を循環させ、温室内の冷却を試みたことがある。

温室温度より温度の低い水を循環させることで、パイプライン周辺だけでも

温度を低下させることが出来るのではないかと考えたのだ。

実際に試してみた、たしかに初めは温度の低い水が循環しているためパイプ周辺は

温度が低く感じられた。

だがこの方法には難点があった、もっとも温度を下げたい日中はパイプ温度も上昇し

高温のお湯が循環することになった。パイプ温度を下げる方法が無いのである。

無いこともないのだが、それには大量の温水を排出し新しく水を入れ替えることになる。

これでは冷却効果にたいしてコストがかかりすぎるのである。



別の方法で上昇したパイプ温度を効率良く下げる事が出来れば問題ないのだが。

そのため、温室トマトでは現在この方法は検討課題となっている。










まとめ


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温室内が高温になるとトマトにあまり良くない影響が出てしまう。

初夏から夏、初秋にかけての時期は高温の状態が長期間続きトマトにとって過酷な環境だ

現状、できることは限られているが可能な限り生育に最適な環境を作りたいものだ。

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プロフィール

ghtomato

Author:ghtomato
初めまして、温室でのトマト栽培に従事。
設備の老朽化でトラブルの多い日々を記録しています。



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