今回のテーマは「ココスラブ」
以前にも記事で紹介したことがありましたが、もう少し詳しく記事にしてみます。
以前に紹介した記事 「ココスラブ (ヤシ殻培地)」温室トマトで実際に栽培してみて気づいたこと、情報を収集して学んだことなど
今後も追記していくこともあると思います、参考までにご了承ください。
ココスラブ(ココピート)の原材料

ココスラブの原材料となる「ヤシ殻資材」はココナツから作られているようです。
種子を包む厚い繊維質の殻を加工につかい、繊維部分は「ココファイバー」と「ココピート」に分けられる。
弾力性があり強い繊維部のココファイバーはブラシ、ロープなどの材料に使われ、繊維部を取り除いた
残りの残繊維をココピートとして利用するようです。
このココピートには二種類あるようで、長期間(3、5年)風雨にさらし
繊維に含まれる塩分、タンニンを洗い流し熟成させたものを「ブラックピート」
ブラックピートは園芸用培養土として優れた特性を持つそうです。
しかし近年は原料が少なくなっているとのこと。
そこで採取したヤシ殻原料を水洗いするなどして塩分を洗い流し早期に作ったものが「レッドピート」
このレッドピートは品質にバラつきがあり、ブラックピートほど優れてはいない
取り扱い業者により規格のバラつきがあるようです。
温室トマトで栽培に使用しているのはレッドピートになると考えられます。
培地の特性と利用方法
培地の特性として保水性が高く余分な水分を排水する能力が高いこと、
肥料分の保持力も良く、培地としての耐久性も優れている。
水分ストレスを与えるために極端に乾燥させても、撥水性を生じないので水分を与えれば
もとの状態にもどりやすい。
ロックウールと比較して保水力は少し劣るようですが培地としては十分な特性です。
とくに注目したいのが、栽培期間中などの水分ストレスで極端に乾燥させても撥水性
を生じないのは大きな違いです。
ロックウールは一度乾燥させてしまうともとの状態にするには初期のように全体を湿らせる
必要があるからです。
利用方法としては園芸用資材として幅広く活用され、
温室トマトでは、ココスラブしてトマトの生産に使用し問題なく生育しています。
培地としての注意点

ココスラブの製造過程で原料の水洗いによる品質のバラつきがあるため
初期のEC濃度が生育に適さないくらい高いです。
ココスラブ培地内に大量の塩分とタンニンが残っているためと考えられます。
培地として使用する際には、初期のEC濃度を栽培に適した値に下がるまで
大量の灌水で培地内を洗い流す必要があります。
温室トマトでも洗い流しのため大量の灌水をしますが、茶褐色の水が大量に
排水されます、この水の中に塩分などが含まれているのでしょうね。
もう一つの注意点として、有機系培地の特性として夏の高温期は培地内が
過湿になりやすいです。
根痛みの原因になるので灌水量の調整などの対策をする必要があります。
使用後の処理

栽培終了後の培地処理は大きな問題の一つです。
ココスラブの場合、天然の有機培地となるため有機資材として活用することは出来ます。
たとえば土壌改良に使用したり、たとえば鉢物の培地として配合してみたり。
保水性が優れているため排水性が良すぎる土壌の、改良資材には適しているかもしれません。
培地内に残量している肥料分など課題はありますが、今後も処理方法について
検討しなければいけません。
温室トマトでの栽培記録
参考までに、温室トマトでのココスラブ栽培記録の記事です。
「ココスラブ(ヤシ殻培地)」でのトマト栽培ココスラブ(ヤシ殻培地)でのトマト栽培 4月上旬の状況ココスラブ(ヤシ殻培地)のトマト生育状況 6月上旬
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