地盤が下がったことによる温室の気密性の低下
- 2018/03/16
- 22:43

こんにちは。
温室トマトでは、以前から地盤が下がっている場所がある、見た目にもはっきりと分かるくらいだ。
温室全体ではなく、一部の区画でそれもかなりの沈み込みだ。
これによって少々問題が出始めている、そこで今回は地盤が下がり始めた原因の考察とそれに
よって変化してきた温室環境について話してみよう。
地盤が下がり始めた原因
温室トマトが立っている場所はもともとは平地ではなかったと聞いたことがある。工事のさいに
山を切り開き、谷を埋めたてて建設されたそうだ。
あれは数年前の出来事だったが、現在地盤が下がっているところで灌水配管から漏水が
起きたことがある。
そのとき破損していたのは配管継手だったのだが、修理の際に別の配管継ぎ手が抜けかけ
になっているのを見つけた。
この抜けかけの継手、まわりの土の状態からかなり以前から漏水をおこしていたようだ。
漏水していた場所は埋め立てられた場所でもあるらしい。
はっきりとした原因にはならないかもしれないが一つポイントではあると思う。
このときの経験が、漏水を早期に見つけるための灌水量の調査につながる。
トマト栽培での養液管理のポイント
温室環境の変化
一番の変化は温室内の温度差、とくに水平方向の温度差が大きい。
本来温室では温度の差がでないように作りこまれているが、地盤がさがることで柱の基礎
もずれてしまい、気密性が落ち始めているためだ。
ガラスを支える部材に隙間ができてしまい、常に自然換気している状態になっている。
これにより地盤の下がった場所では、温度に差が出来てしまう。
日中などはあまり差が出ないが、日の入りから夜間、日の出にかけてはかなりの差が出る。
とくに秋から春先にかけては平均温度にかなりの差が出てしまい、トマトの生育にも影響が
出ている。
温度に関係する湿度も同じく差がある。乾燥している場所と過湿の場所がはっきりとできて
しまっている。
これにより温室環境制御はかなりやりがいのあるものとなっている。
温室設備の状況
温室設備の状況としてまず気がかりなのがガラス屋根だ。ここまで地盤が下がっているの
だからかなりの無理があると考えられる。
何カ所かは角にヒビが入ってきている場所もあるため、かなり危険な状態なのは間違いない。
それと雨漏りもひどいところがある、雨どいの高低差がなくなり溜まった雨水が隙間から温室
内に入ってきている。
灌水配管にもトラブルが起きている、埋設された配管が地盤が下がることにより継手が破損
したり抜けてしまうことがある。
なんともひどい状況だ。
トマトの生育状況
トマトの生育状況だが、やはり温度差の影響はかなりのものだ、とくに冬場は生育の遅れが
出てくる。
平均温度が低いため、ゆっくりとした生育になっている。茎も葉も大きく栄養成長よりになって
しまう。
トマトの果実は大きく、形はあまり良くない。花芽はあまり寒い日が続くと着果しないまま落ちて
しまうことがある。
それと厄介なのが病気だ、とくに灰色かび病が問題だ。湿度管理が均一にできないため発生
しやすい場所が出来てしまう。
トマトの樹全体の生育を均一にするのもなかなかではない。
まとめ
トマトの生育にとって最適な環境を作り上げるのが理想ではあるが、設備そのものの能力が
落ちてしまうとそれも難しくなってくる。
生育に大きな差が出始めると、収穫量にも影響がでる。
今後もできるだけの対策をしながら栽培を続けて行く予定だ。
- 関連記事
-
-
高温期の温室環境制御についての考察 温室トマトVer.1.0
-
温室トマトでの遮光カーテン使用例
-
地盤が下がったことによる温室の気密性の低下
-
3月も中旬、暖かくなってきました
-
積雪で低温の影響を受けたトマトの品質が良くないです。
-