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トマト栽培での養液管理のポイント

トマト栽培で水分管理はとても重要だ、植物が生育するのに水は必要だからだ
その水を管理することでトマトの生育をベストな状態にするためにも。

そこで今回は水分管理をするのに重要な日々の調査を紹介しよう。




日々の調査



温室トマトでも灌水は自動制御で行っている、あらかじめ水を与える条件を設定しておき
条件をみたすと水を与える仕組みだ。

トマトにどれくらい水を与えているのかはPCから確認できる、しかしそれだけでは不十分だ
実際に温室内に入り確かめる必要がある。

だが水を与えるたびに確認していては大変だ、重要なのは灌水を開始する時間帯と日中、
それと終了時間帯となる。

まず灌水を開始する時間帯、とくに一番初めは大切だ間違いなく送られているか確認して
おきたい。

日中はトマトの樹を見ながらしっかり水が行き届いているか確認が大切だ。温室内に何カ所
かサンプルを取るバケツなどを置いておき、水の量を見ておこう。

一日の灌水終了後は重要な調査が待っている。









調査に使う道具



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調査に使う道具を紹介しよう、まずは水を入れるための「バケツ」だ。

これに水を与えるためのチューブを入れておき、実際に水が流れて来ているかを確認する
バケツの容量は10リットルくらいがいいと思う、あまり少ない容量だと溢れてしまうからだ









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次に水の量を計測するための「計量カップ」だ、温室トマトでは2リットルまで計測できる
計量カップを使用している、あまり正確なものではないがとくに問題は無い。










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次が「温度計」だ、水の温度をはかるために使用する。これは次に紹介する測定器の
温度設定に使用する。










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とても大事な道具「ECメーター」だ、正式な名称は「電気伝導率計」。

トマトに与える水の中には植物の成長に必要な肥料を溶かしてある、この肥料の
濃度がとても大事だ。

その濃度を測定することがこの測定器の目的だ、溶けている肥料の種類までは判別
出来ないのであくまで目安にはなるが、それで十分だ。



持ち運びに便利なポータブル型を使っている。










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最後に「pH試験紙」を紹介する。これは水素イオン指数を測定するために使用する。
トイレ用洗剤などでよく聞く、酸性・アルカリ性のことだ。

以前は、「pH測定器」を使っていたが測定するのに時間がかかるのと、メンテナンスを
きちんとしておかないと、測定値がズレてしまうため今は使用していない。

pH試験紙だと、測定するのも時間がかからずメンテナンスも必要ないので使い勝手が
良い。










調査するポイント



調査するポイントをいくつかあげてみよう、まず朝の灌水を開始する時間帯だ、このとき
バケツの中を確認して水が送られてきているか見てみよう。

日中も同じく、バケツの中の水の量を確認してきちんと送られてきているのを確認して
おこう。


最後に一日の灌水終了後にはその日に与えられた水を調査する必要がある

まずは一日に与えられた水の量だ、コンピュータと実際の水の量に差がないか調査する。
少しの差なら問題ないがあまりにも差がある場合は何か問題が発生している。

次にEC濃度だ、これも水の量と同じくコンピュータに表示される濃度と実際に測定した
濃度に差がないか確認する。大きな差がある場合は注意が必要だ。

それとpHだ、EC濃度と同じくコンピュータの指数と実際の指数に違いが無いか調査する。


以上が、大まかな調査のポイントだ。











トラブルを未然に防ぐために



調査は毎日決めた時間に行うのが良いと思う、何か問題が発生した時に変化に気づく
ためにも。

たとえば朝の灌水開始時間になっても水が送られてこない場合・・・

日中、PCで確認した水の量とバケツの中の水の量が違ったとき・・・

一日の灌水量を測定した時にPCの測定値とかなりの差があった時・・・

たとえば、EC・pHの測定値に大幅な差があった場合・・・

その原因は漏水かもしれないし、灌水装置の故障かも知れない、または原水タンクの
水量が少なくなっているからかもしれない。

そのようなトラブルを防ぐことが出来るし対応も早く出来る。トマトの生育にとって水が
無いことは枯死することを意味するからだ。












まとめ



トマト栽培で水分管理はとても重要だ。日々の調査を続けることが最適な生育を保つ
ポイントになる。

少しの変化でも気づくことがあり、調査の記録は今後の栽培計画の参考にもなる。
また何か問題が発生した時の資料にもなる。



温室トマトでも今後も日々の調査を続けていくのに変わりはない。
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プロフィール

ghtomato

Author:ghtomato
初めまして、温室でのトマト栽培に従事。
設備の老朽化でトラブルの多い日々を記録しています。



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