トマト温室に雪が積もる 今年一番の寒波|温室内の加温と温度管理
- 2021/01/21
- 21:48
こんにちは、温室トマト管理人です。年明け今シーズン初めての積雪があり温室のガラス屋根にも雪が積もりました。晩秋から年末にかけてかなり冷え込んだ日もありましたが、今まで温室内を加温することなく凌いできました。しかし今回ばかりは虎の子の加温装置を稼働させる時が来たようです。
加温装置の燃料が少ない場合
備蓄してある重油は残り少ないため出来る限り加温装置を効率よく使用しないといけませんでした。今回の寒波は一週間ほど続く予報だったので雪が降ると予想される前日の日の入りから加温を開始して、夜間の積雪による温室の冷え込みを和らげ、その後は温室内を高い温度で維持するのではなく、10℃前後の温度に温室内を維持して燃料の使用量を抑えながら数日間耐えられるように設定しました。
温室内の温度を下げない工夫
加温装置を稼働しただけでは温室内の温度を保つことは難しいためそれ以外にも工夫が必要です。いつも積雪の際には保温スクリーンを閉めていますが今回も同じように閉めておきました。
保温スクリーンを閉めるとガラス屋根と保温スクリーンの間に空間が出来る事で積雪による温室上部からの温度低下を和らげ、いわゆる二重被覆構造になります。温室トマトにはサイドスクリーンは装備されていないため今回も上部の保温スクリーンのみでしたがはるかに保温効果は違います。
寒波が過ぎるまでの温度管理
今回は燃料の備蓄が少ないので温室内温度をそんなに高い温度にならないように調整し燃料の使用量を抑えます。夜間に維持しておきたい最低温度を設定して一定の温度になるようにしておきます。温室トマトでは温水を配管内に循環させることで温室内を温めています、そこで温水の温度を一定になるように調整し温水温度の高低差を無くすことで加温装置の運転量を調整し燃料の使用量を抑えます。
保温スクリーンを使用すると積雪による温度の低下をかなり抑える事が出来ます、そこで今回の寒波が過ぎるまではとにかく保温スクリーンは閉じたままにしておきました。スクリーンを閉じたままにしておくと太陽の光を遮ることになりますが、そもそも降雪の時には太陽は隠れてしまっているので温室内の温度の維持を優先します。雪雲の切れ間に光があたることもありますが天気の変化は速いのでスクリーンは閉じたままにしておきます。
※保温スクリーンは閉じたままですが少しだけ隙間を開けておくと良いです(積雪対策)
温室の温度変化
外気温温度変化グラフ 2021年1月1日から1月15日まで
※青色の線で囲んだ部分が寒波で降雪があった期間になります。
※赤色の線は日中温度、緑色の線は夜間温度、水色の線は最低温度になります。
上記は外気温度の変化グラフになります夜間温度と最低温度はマイナスの日がほとんどです、降雪のあった期間はさらに冷え込んでいます。日中の温度も同じく10℃を下回る日が多く続いています。
温室内温度変化グラフ 2021年1月1日から1月15日まで
※青色の線で囲った部分が寒波で降雪があった期間になります。
※赤色の線が日中温度、緑色の線が夜間温度、水色の線は最低温度になります。
温室内の温度変化グラフになります。青色の線で囲んだところが暖房装置で加温をしていた期間になります。日中温度はそれほど温度は上がっていませんが、夜間温度と最低温度は加温をしていない日と比べると温度は高めです。
トマトの低温障害
トマトは比較的低温に耐性があるようですが、生育適温として8℃~10℃は維持したいところ。成熟している本葉・茎・果実は0℃くらいでは被害は無いようですが、マイナスになってしまうと成長している花芽・生長点・小さい果実は枯死してしまいます。
今回の寒波で降雪はありましたが温室内は加温していたので温度がマイナスになることなく枯死することはありませんでした。
※2021年1月14日15:33分 トマトの樹、上部付近の本葉の様子。
葉の先端部分が枯れている状態、夜間温度が低温の状態が長期間続いているのが良くないと思われます。
※2021年1月14日15:33分 トマトの樹、上部付近の本葉の様子。
葉の色が濃くなっている部分がありますが低温によるアントシアニンが出ている状態。
トマトが赤くならない冬の時期 収穫までに必要な積算温度を求めてみました(温室トマトVer..) ホーム
2020年12月のトマト生育状況 49週目(335日経過)トマトの生育|温室内栽培環境|トマト収穫量