12月のとある一日 温室の温度・湿度・日射量の記録グラフ化
- 2019/12/23
- 21:59
こんにちは、温室トマト管理人です。この記事では12月のとある1日の温室内の環境変化を記録したデータを取り上げています。この日は日の出が7:04分くらいで日の入りは17:04分になり日中はよく晴れていました、温室内の管理状態としては暖房設備による加温は無し、夜間は保温カーテンを使用しています。温室環境の測定には統合環境制御盤MC-6001(ネポン株式会社製)を使用しています、記録データは15分毎の数値をグラフにしてみたものになります。
それでは、記録データから温室内の状況を考察してみたいと思います。
温室内温度変化と外気温
夜間から早朝の温度変化
季節は12月中旬、日の出は7:04分日の入りは17:04分。日の出から約2時間くらいは霧のため日射量は少なめです、温室内に太陽の光が差し始める9:00頃から温室内の温度は急激に上昇しています。通常この時期には温室内加温をしていますが諸事情により無加温で栽培しています、本来室温の変化はもう少し緩やかな温度の上昇が望ましいです。
外気温がもっとも下がっているのは深夜0:00頃、2.7℃くらいです、それでも温室内の温度は11.2℃を保っています。保温カーテンを使用しているのと、測定している温度センサーの位置で
違いはあると考えられますが外気温に比べると温室内は暖かいです。
日中の温度変化
この日はよく晴れていて日中の温室内は暖かく25℃くらいになっています。温室の換気窓が25℃から開くように設定しているためですがこの時期でもよく晴れた日に窓を閉じておけば温室内を30℃くらいに保つことは十分可能だと思います。外気温は12~13℃くらいのなので温室内の温度管理も目標値にコントロールする事が容易な時期となります。
日の入りから夜間の温度変化
日の入り1時間前頃から急激に温度が下がり始めています、日が沈みはじめ日射量が落ち始めるためだと思います。日没後、温室内の温度低下が緩やかになっているのは保温カーテンを使用しているためで、通常は保温カーテンと加温装置を使用して目標の温度になるよう調整しています。現状は保温カーテンのみですが。
最高温度と最低温度
温室内の最高温度は25.4℃、最低温度は10.8℃。温度差は約15℃となっているようです。
外気温の最高温度は14.1℃、最低温度は2.7℃。温度差は約12℃くらいとなります。
温室内湿度変化と温室内温度
次に温室内の湿度変化を見てみます。まず温室内で生育しているトマトの本数は土壌病害により極めて少ない状態での記録データになります。葉からの蒸散による湿度変化はあまり大きく影響していない状態になります。
夜間から日の出後
夜間の湿度は約78%くらいで日の出から2時間後あたりから温室温度上昇とともに急激に湿度は下がり始めています。早朝は外気温が低く温室内の温度も低いので天窓を大きく開いての換気はほとんどありません、ほんの少し開く程度です。温度の上昇とともに温室内は非常に乾燥した状態になっています。
日中の湿度
日中は約20%くらいで推移し温室内はかなり乾燥した状態です。
夕暮れから日没後
日の入り1時間前あたりからは日射量と温度の低下で急激に温室内湿度は上昇しています。約20%から約76%あたりまでの湿度の変化が1時間と少しの間に起きています。除湿対策として加温と天窓による換気がありますが加温はしていないので天窓による除湿のみ行っています。除湿を開始する湿度は85%からに設定していますが雨でも降らない限りそこまで湿度が上昇する事はありません、温室内は非常に乾燥した状態です。
うどんこ病の発生要因
温室内では湿度が極端に低く乾燥した状態が長時間続いているのと、夜間は湿度が高い状態となるため湿度の高低差が大きく、うどんこ病の発生要因となっています。
照度(klx)の記録
次に照度の記録データを見てみます。日の出は7:04分、日の入りは17:04分。日の出後2時間くらいは霧の影響で照度はあまり上昇していませんが9時を過ぎたあたりから急激に上昇を始めています。日中の最大照度は70.6klx、11:00から13:00の約2時間が照度がもっとも数値の高い時間帯となっています。13:00を過ぎると照度は下がり始め、日の入りまであっと言う間に日没となります。
一日の積算日射量は11.384MJ/㎡となっています。夏の時期と比べて太陽の光が降り注ぐ期間は短いです。
温度・湿度・照度の複合グラフ
温室内の温度と湿度、照度を複合したグラフを見てみます。赤の線は日の出と日の入りの時間になります。
日の出から日没までの温度変化・照度ともにとても良い状態だと思います、12月でもよく晴れた一日であれば温室内は目標としている環境にする事は比較的容易となります。ただ湿度が極端に低く乾燥した温室の状態にはなってしまっているので、出来ればもう少し高めの湿度管理と急激な湿度変化をしないように改善してみたいところです。
まとめ
今回、環境制御盤の記録データをグラフにしてみましたが温室内の環境変化をより分かりやすくすることが出来ました。
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