トマトの水泡症 トマト苗の生育初期に発生した症状の現在の経過
- 2019/10/08
- 21:52
こんにちは。
温室トマトでは例年発生している「トマトの水泡症」今シーズンも栽培初期に発生を確認しました。この記事では水泡症の発生時期とその後の経過についての覚書となります。
トマトの水泡症
生育初期の本葉に発生する事が多く症状としては葉裏側の葉脈に膨れたようなブツブツが現れ、症状がひどくなると葉が巻いてしまうほどになります。症状が出た葉が枯れる事はあまり見られませんが葉の機能は低下していると考えられトマトの生育に少なからず影響があると思われます。
一度症状が現れると自然に治る事は無くそのまま枯れたような痕が残ります
水泡症の発生時期
トマトの水泡症を確認したのは栽培を開始してから6週目頃。草丈は約48cm位、本葉の枚数は9.2枚目が生長を初めていました。
水泡症の症状は5枚目~8枚目の本葉に発生を確認し、症状の発生状況は少ない葉もあれば多く発生している葉もありトマトの樹で個体差があります。
温室内で栽培しているトマトすべてに水泡症が発生している事は無く、発生が多い場所と少ない場所に分かれどちらかと言うと温室内北側で発生を多く確認しています。
水泡症の発生原因と対処方法
トマトの水泡症の発生原因についてはっきりとした要因はよく分かりませんが、葉の蒸散と根の水分環境が影響していると考えられています。地上部の生育と地下部の生育バランス・日射量と温度・湿度などが複雑に影響しているのでしょう。
水泡症の対処方法
例年、水泡症は発生していますが温室トマトではこれといって対策はしていません、一度発生を確認してからは症状が広がる事は無いからです。症状の酷い本葉がある場合は早めに取り除いて灰色カビ病などの感染を抑える事はありますが、トマトの生育が進み下葉の取り除き作業で取り除くまではそのまま放置しています。
※2021年は8月17日に苗を移植して栽培がスタートしましたが水泡症の症状はほぼ発生していません、栽培している品種は「かれん」サカタのタネになります。今シーズンは栽培培地内に滞留していた余分な養液を排水させるために栽培ベンチの改装をしています、このことが水泡症の発生を抑えたのかは考察が必要ですが今までのシーズンとの大きな違いとなります。培地内の根の環境が発生に影響している事は考えられると思います。
水泡症の現状とまとめ
現在、水泡症の発生を確認してから約90日ほど経過していますが症状が広がることはありませんでした。症状が発生していた本葉も下葉の取り除き作業でほぼ残っていません。発生原因はよく分からないままですが今のところ大きな問題にはなっていません。収穫が始まる程度までに生長したトマトの本葉には水泡症の症状を確認したことはありません、トマトの生育がある程度まで進むと症状は出ないのかも知れません。
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