個性的なトマト 尻腐れ果・チャック果・窓あき果、形は悪いけどトマトです。
- 2019/02/04
- 21:37
こんにちは。
今回は個性的なトマトのご紹介。
お店で見かけるトマトは丸く形の揃ったものが商品として並べられています。
これはトマトを取引する際に市場には規格があるため、
基本的に形が良く果実の重量をクリアしたトマトが多く取引されているからです。
取引されているトマトの規格から外れてしまったトマトには、
どういった特徴があるのか今回はご紹介します。
トマトの尻腐れ果
まずはトマトの「尻腐れ果」
トマトのお尻の部分が黒くなっている果実になります。
症状の名前に「腐れ果」とありますが腐っている訳ではなく、果実の組織が枯死している状態。
枯死した部分から腐りが出るのは次の段階になります。
尻腐れ果は果実の外側だけではなく内部にも発生します。
この場合外側から確認するのは難しく、栽培時期と果実表面の凹みなどで判断するしかありません。
尻腐れ果の原因
尻腐れ果の発生原因はカルシウム欠乏と言われています。
夏の高温時季など日差しが強い時期に発生が多い傾向にありますが、
ただその発生要因は詳しく解明されていません。
栽培している培地内、養液内のカルシウム濃度が十分にある場合でも、
尻腐れ果の発生は起こるからです。
大気中の湿度、トマトの蒸散、植物体内の水の移動など、
トマトの植物生理的な障害によって引き起こされる症状になります。
「尻腐れ果」が市場に出ない理由
尻腐れ果が市場に出回らない理由は「見た目」でになります。
お店に並んでいるトマトに尻腐れ果があると非常に目立ち、
そして売れ残ってしまう。
食べれない事は無いのだが、やはり見た目は大事なのです。
チャック果
次に紹介するのが「チャック果」です。
トマトの果実にヘタの部分からお尻の部分にかけて傷のあるトマトになります。
見た目がチャックのような傷のためチャック果と呼ばれています。
チャック果の発生原因
トマトのチャック果が発生する原因として、
果実が成長する段階で花芽に障害を受けた場合に傷がトマトに残るようです。
トマトが生育しているときに花芽が低温の影響を受けた場合でも発生するようです。
チャック果は意外とお店で見かける
チャック果は表面には傷がありますがトマトの内側は問題ありません。
あまり目立たないチャック果であればお店で見かけることもあります。
トマトに窓がある、窓あき果
次のトマトは「窓あき果」。
果実の外側に窓が開いたようなトマトになります。
開いている窓からはトマトの内側のゼリー部が見えイチゴのようにも見えます。
チャック果の症状がひどくなると窓あき果が発生するようです。
窓あき果が発生する原因
窓あき果の症状が発生する原因は、チャック果と同じ原因のようです。
果実の生育初期の花芽の障害が原因となり症状のひどくなったものです。
チャック果と同じく果実生育途中での低温も発生する要因になるようです。
窓あき果はお店では見かけない
窓あき果はお店で見かけることはまずないと考えられます。
やはり見た目にかなりの影響があるためです。
ほぼ市場に出荷する段階で商品規格から除外されてしまいます。
食べるのには問題はありませんが・・・。
個性的なトマトはどうなる?
トマトは同じ環境で育ててもすべてのトマトが同じ形・重量にはなりません。
個性的なトマトは通常であれば果実の生育初期に摘果などで取り除かれます、
商品としての規格は形の良いトマトを求められるからです。
規格から外れてしまった個性的なトマトも形は悪いですが同じトマトです。
直売所などのお店を探せば少しお得な価格で販売されています、
形は個性的なトマトですがぜひ手に取ってみてください。
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