トマト根腐疫病 今シーズンも発病株を確認、防除が難しい土壌病害
- 2019/01/16
- 20:52
こんにちは。
毎シーズン、必ずいくらかは発病してしまう「トマト根腐疫病」、
今シーズンも発病株を確認してしまいました。
このトマト根腐疫病は非常に防除が難しく、数年前から対策に悩まされています。
今回の記事は「トマト根腐疫病」の発生状況と今後の病気の発生予想となります。
「トマト根腐疫病」の発病株
トマト根腐疫病の症状
良く晴れた晴天の日にトマトがしおれてしまいます。
日の当たる日中はしおれた症状になり、日が沈んだ夜間はしおれが回復します。
雨・曇りの日はしおれ症状はあまり見られません。
根の発病状態にもよりますが、しおれと回復を繰り返して最終的に枯れてしまいます。
トマト根腐疫病の発病が疑われる場合の確認するポイント
まずは水不足が原因でしおれていないか培地内を調べてみる。
水は十分与えているのにトマトがしおれてしまっていたら、
「トマト根腐疫病」が発病している可能性があります。
トマトの茎が折れてしまって、しおれ症状が出ていないか調べてみる。
茎が折れていると水の分配に不具合が出てしおれてしまう。
培地内に水があり、トマトの茎も折れていないのなら、
「トマト根腐疫病」の発病が考えられます。
もっとも重要な確認ポイント
根元部分の茎に茶色く変色している部分が見られるか確認してみる。
根元部分の茎が変色しトマトの樹がしおれてしまっていればほぼ「トマト根腐疫病」です。
トマトの根も確認してみると良くわかるのですが、
トマト根腐疫病が発病している根には茶色く変色している場所がいくつもあります。
しおれ症状が出るころには根の成長はほとんどストップし機能していません。
ほんの少し残った細い根がトマトの成長を維持している状態です。
トマト根腐疫病を確認した時期
トマト根腐疫病の発病株を確認したのは1月上旬でした。
栽培ベットに定植してから約一月半経過したところです、
トマトは第4花房が開花している時期で第1花房の果実は約40日経過しています。
トマト根腐疫病を発病する生育段階
今シーズンのトマトは10月栽培スタートでしたが、
トマト根腐疫病を発病した生育段階は、7月栽培スタートとあまり変わりません。
病原菌に感染してからしおれ症状が出るまでの期間はほぼ同じくらいだと考えられます。
トマト根腐疫病の対策
まずトマト根腐疫病の発病株は抜き取り
トマト根腐疫病の発病株を見つけたら速やかに抜き取り処分します。
抜き取る際には根の部分には触れないように注意するのと、
抜き取りに使用した手袋などの道具ではトマトの管理作業をしないようにします。
可能であればトマト栽培ベットも撤去
トマト根腐疫病の発病株が出てしまったトマト栽培ベットは、
可能であれば撤去しておきます。
栽培ベット内にトマト根腐疫病の病原菌が繁殖しているためです。
栽培ベットを撤去する際はベット内の水分の取り扱いに注意しましょう。
トマト根腐疫病の発病株が出た栽培ベットは、
新たにトマトの苗を補植してもほぼトマト根腐疫病が発病します。
発病株の出た栽培ベットの再利用はやめておいた方が良いです。
灌水チューブ・栽培ベンチの消毒と防除
トマト根腐疫病が発病したトマトの樹に使用していた灌水チューブは、
交換するか消毒をしておきます。
栽培ベットを置いていた栽培ベンチも消毒と防除をしておきます。
ただし、栽培期間中の消毒と防除は難しい部分もあります。
今後の病気の状況・まとめ
今シーズン確認し抜き取り処分をしたトマト根腐疫病は5本、
今のところ大規模に発病株が増えてしまう気配はありません。
現在はトマトの栽培期間中のため抜き取り処分くらいしか対策はできませんが、
来シーズンのためにも効果的なトマト根腐疫病対策を考察しておこうと思います。
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