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トマトの花が咲かない原因 トマト栽培初期、第3花房の花芽生育不良の考察

こんにちは。

今回の記事は、トマトの花芽について。

温室トマトではトマトの樹は順調に生育しているように見えますが、

花芽がうまく成長できずに「つぼみ」のまま成長がストップしてしまった段数があります。

花芽がうまく成長しないと開花もしないためトマトが着果することはありません・・・。

そこでなぜトマトの花芽が生育不良を起こしてしまったのか考察してみます。







成長がストップしたトマトの花芽

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成長がストップした状態の花芽は開花する事はまず無い。

小さな「つぼみ」位には成長しているのだがそれ以上は生育は進まない、

手で触れると花芽のつぼみは取れてしまうことが多い。










成長が止まっているのが多い花芽の段数


今回、成長が止まってしまった花芽を多く確認するのが第3花房の花芽です。

温室内全体ではなく一部多く見られる場所と、それ以外はトマトの樹によってバラつきがある。

第4花房の花芽は今の所問題なく成長して開花を始めている(1月上旬)

第1花房と第2花房の花芽は着果してから数週間経過しているため果実も大きくなっています。










受粉後、果実が肥大しない花芽

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花芽は成長して開花はするのですが受粉後、果実が肥大することなく生育がストップしている花芽もいくつか確認できます。

第2花房の花芽に比較的多く、果実が肥大する事はまずありません。










花芽の生育不良の原因

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花芽の生育がストップしてしまう原因を考察してみます。

花芽の生育は複雑な過程で起きているためはっきりとした事は分かりません、

生育不良の原因も一つではないと考えられますが、いくつかあげてみます。










花芽成長時期の日照不足

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花芽が成長していた時期に曇りがちで雨などが続き日照不足が原因だと考えられる場合。

トマトの成育にとって太陽の光はとても重要です、

光合成を行うための光が不足したことにより花芽を成長させるための栄養素をあまり作ることが出来無かったのかもしれません・・・。










温室トマトでは日照不足が起きていたのか?

花芽が成長していた週の天気の記録から日照不足があったのか調べてみます。

第3花房が成長していた週の天気は・・・、

雨・曇りの日が2日

晴れの日が5日

第4花房が成長していた週の天気の記録は・・・、


曇りの日が4日


晴れの日が2日


記録を確認してみると、日照不足というほど天気は悪くなかったみたいです、

第4花房の花芽が成長していた週は少し日照不足だったかもしれませんが・・・。










花芽成長時期の高温障害


花芽が成長していた期間、高温状態が続き生育に悪影響を与えてしまったのが原因と考えられる場合。

日中・夜間、高温状態が続くことでトマトの樹を維持するために栄養を使い切ってしまい、

新しい花芽の成長に振り分ける栄養が不足してしまった事が要因かもしれません。










温室トマトでの温度管理の状況は?

そこで、第3花房と第4花房の花芽が成長していた週の最高温度を記録から確認してみます。

まずは第3花房の花芽が成長していた週の最高温度と平均最高温度から・・・、

最高温度    30.1℃

平均最高温度  26.3℃(週)


次は第4花房の花芽が成長していた週の最高温度と平均最高温度・・・、

最高温度    28.9℃

平均最高温度  27.1℃(週)


記録を確認してみると、日中の最高温度が30℃近くまで上昇していたようです。

平均最高温度も27℃前後でした。

もっとも温度が上昇するお昼過ぎの最高温度になりますが、

トマトの花芽の成育環境にはストレスになっていたのかもしれません。










花芽成長時期の水分管理

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花芽が生育不良を起こした原因に水分管理も考えられます。

トマトが成長するには蒸散が必要です、そのために必要な水分が不足していたり、

逆に多く水分を与えすぎていたり・・・。

水分管理が要因で生育不良が起きたのかもしれません。










温室トマトでの水分管理の状況は?

花芽が成長していた週の水やりの状況を記録から確認してみます・・・。

まず第3花房が生育していた週は晴れの日が5日と曇り・雨の日が2日でした。

水やりの量は晴れの日で900ml、

曇り・雨の日が100ml、

週の平均約650mlの水分を与えていました。


次に第4花房が生育していた週は晴れの日が2日、曇りの日が4日でした。

水やりの量は晴れの日で1300ml、

曇りの日で100ml

週の平均1016mlの水分を与えています。


水やりは「晴れの日」と「曇り・雨の日」でメリハリをつけた管理をしています。

第3花房・第4花房が成長していた週は、水分が不足しての萎れなどは出ていませんし、過剰に水分を与えてもいません。

水分管理に関しては問題なかったと考えられます。










花芽成長時期の成長バランス


第3花房が成長していた時期は、第1花房が着果して肥大していた時期になります。


成育初期のトマトにとって「茎・葉・根の成長」「花芽の成長」「果実の成長」をバランスよく成長させるのは難しい事なのかもしれません。


そこに栽培環境の要因として「日射量・光」「温度」「水分管理」が加わることでさらに複雑になっています。


花芽が生育不良を起こす原因は成長バランスが崩れてしまっているためだと考えられます。











現在の花芽の状況・まとめ

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今現在(1月上旬)成長している第4花房の生育は順調そうです。

花芽の開花も見られ生育不良を起こしている様子はありません。

トマトも第1花房の果実が約30日ほど経過、第2花房も果実の肥大が進んでます。

第5花房の生育も進んでいるためトマトの樹の成長も落ち着いてきた感があります。



今後も花芽の成長を良く観察し、生育不良を起こす原因を考察していきます。



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コメント

トマトの花が咲かない原因

はじめまして施設園芸をやっている者です。トマトの花器の矮化が見られた年に、スマホの照度センサーで障害発生付近のLUXを計測したところ、5000~8000LUX程度でした。花房の位置が高くなると花芽も普通の姿に戻っていきました。
あと、農POの光線透過率も参考にされてみてはどうでしょう。毎年10%程度、光線透過率が下がりますよ。

Re: トマトの花が咲かない原因

はじめまして!てつろうさん。コメントありがとうごうざいます!花芽の開花には照度が重要だという事ですね、ありがとうございますとても参考になります。農POについてはガラス屋根となっていますが、確かに年数の経過でかなり汚れがあり光線透過率は下がっています今後洗浄などを検討したいと考えています。

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Author:ghtomato
初めまして、温室でのトマト栽培に従事。
設備の老朽化でトラブルの多い日々を記録しています。



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