栽培ベットのドレインカット 定植後、根の生育状況
- 2018/12/05
- 20:31
こんにちは。
前回の記事でトマト苗の定植作業をテーマにしました。
今回は定植に使用する栽培ベットのドレインカット作業と、トマトの根の生育状況についての記事となります。
ドレインカット(栽培ベットの排水)
トマト栽培に使用している栽培ベットには養液排水用の排水口を加工していますが、もともとラッピングされている栽培ベットには排水口の加工をしていない製品がほとんどです。それは初期の準備で栽培ベットに養液を満たす作業中、排水口があると栽培ベット内が満水の状態にならないためです。
しかしトマトの栽培が始まると排水口を開けていないと栽培ベット内には水が溜まりっぱなしになり余分な水を排水する事が出来無いため根の生育環境にあまり良くありません(酸素不足、病原菌の繁殖など)。そこで栽培ベットに排水口を作ることで余分な水を外に排水できるようにします。
栽培ベットに排水口を加工する作業の事を、温室トマトでは「ドレインカット」と言っています。
余分な水分を排水する理由
排水口を開けていない栽培ベット内では水の入れ替えが出来ないため肥料分、汚れなどが溜まってしまいます。
水が溜まったままの栽培ベット内は空気の隙間も無いため酸素も不足してきます。
その結果トマトの根の生育にあまり良くない環境になってしまいます。
根の生育不良は地上部のトマトの生育にも影響がでるためよろしくありません、それに加え病原菌の繁殖などによって根が病気になってしまう事が多々あります。
排水口を作り栽培ベット内の環境を最適化
栽培ベットに排水口を作り培地内の水を入れ替えることで生育に最適な環境を作ることが出来ます。
水を与える回数と水の量を調整することで排水量を調整しながら栽培ベット内の水分量を生育に適した環境にすることも可能になります。
排水口のカットする位置
排水口を加工する位置は栽培ベットの下側になります。
カットする場所は温室によって排水させたい場所により違いがありますが、栽培ベット内の余分な水がしっかりと抜けていく場所をカットするのが良いです。
加工する位置
いろいろありますがいくつか考察してみます。
栽培ベットの横その①
まずは栽培ベット下側、横の部分に切り口を入れ排水口を作る方法。
栽培ベットの長さにもよるが1~3か所くらい排水口を加工すれば水の抜けも良さそうである。
この加工方法はサイドに水が流れても良い排水ガターが必要ではある・・・。
栽培ベットの横その②
栽培ベットの横に加工するのはその①と同じだが、切り口を横ではなく縦に加工する方法である。
この方法だと栽培ベットの裏側から切り口を入れるため下側からの排水も良くなりそうである。
なかなか良いとは思わないだろうか?
栽培ベットの裏側
手間は必要になるが栽培ベットの裏側に排水口を加工する方法。
排水用ガターの仕様で栽培ベットの真下に排水路がある場合はかなり有効かもしれない。
培地の裏側からの排水はベット内の余分な水をきれいに流すことが出来そうではある。
栽培ベットの端その①
栽培ベットの端に切り口を作り排水する方法。
角の部分に栽培ベットの裏側から縦方向に切り口を作り排水口を加工する。
横に排水する事が難しい場合におすすめではあるが、栽培ベットの長さによっては上手く排水する事が出来ない。
栽培ベットの端その②
栽培ベット端の角に横向きに切り口を作り排水口を加工。
栽培ベットの端その①と違い切り口を縦ではなく横に作ります、
しかしこの方法も排水はあまり良くありません。
※温室トマトでの加工方法は栽培ベットの端その②となります。
温室トマトでの加工する位置
栽培ベットの端その②
栽培ベット下側の角になるところを、排水が流れるガターに沿って水が抜けるように排水口を加工します。
栽培ベット一つに加工する排水口は一か所になります。
このカット位置は、栽培ベット下部に余分な水が少し溜まってしまいますが位置としては無難な所です。
排水ガターがもう少し幅が広いものであればサイドにも加工できるのですが・・・。
トマト苗定植後の根の生育状況は今の所こんな感じに仕上がっています。
定植後1週間少し経過している状態になります。
上の画像はロックウール培地の根の状態です。
これはココスラブ(ヤシ殻培地)の根の生育状況です。
ロックウール培地と同じく定植後1週間少し経過したところです。
定植後1週間少し経過したトマトの生育状況は・・・、
草丈 約40cm
葉の長さ 約35cmくらい
葉の枚数 約9枚目くらい
花芽 一段目が開花時期
と、なります。
ロックウール培地、ココスラブ(ヤシ殻培地)両方ともまだまだ初期の根の生育がこれからといった状況です。
今後、第一花房開花から収穫開始までの時期が根の生育にとって大事な時期に入ります。
なるべく良い根を育て、栽培ベット内の培地全体を包み込む感じに仕上げていきたいところです。
まとめ
以上で栽培ベットのドレインカットについての記事を終わりにします。
今回のまとめ
ドレインカットはトマトの根の生育にとても重要
余分な水分がしっかりと抜けるように排水口を加工する
栽培ベットに加工する位置は状況に合わせて行う
と、なります。
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